特別編 Zerufenoa The First(4)

某日。群馬県某町・ゼノク。本部・支部同様、ゼノクにも地階は存在するのだが、西澤は何か引っ掛かっていた。

ゼノク館内図には記載されていない隠された場所があるという、まことしやかに囁かれている噂がある。
これはゼノク職員が噂していたものらしい。それが広まり、ゼノク隊員にも伝わった。



鼎はゼノクにいる二階堂とたまに連絡している。二階堂もその噂を聞いていた。

「なんだその噂は?二階堂、不気味ではないか」
「そうですよねー…。館内図にはない場所があるという噂、確かめるのが怖いですよ。そんな勇者、いたらすごいですよ…」

「噂の場所はどこなんだ?」
「地下らしいです」
「地下?」

「ゼノク館内図、データ送っておいたので見といて下さい。地下の館内図、私達も初めて見ましたが複雑なんですよね。
本部や支部とは違う構造になってるようで、ますます怪しいんですよ」


「噂はそれだけではないんだろ?隠してないで話せ。聞くだけ聞くから」
二階堂はおずおずと話始めた。

「ゼノクに『ミイラ女』が夜中に出る噂があるんです。『包帯女』とも言いますか。見た目がかなり特徴的で、『顔から首』にかけて包帯に覆われているとかいないとか」
「学校の怪談みたいな噂だな…」


顔から首にかけて包帯に覆われている!?
…あれ…最近聞いたゼノク設立のきっかけになった御子柴と特徴が一致してないか?

だが御子柴は10年前に死んだはず…。


「西澤室長も最近になって、地下に何か隠された場所があるとか感じたみたいなんです。『包帯女』と関係あるかはわかりませんが…。調査しています」
「何かあったらすぐに教えてくれ」


ゼノクは謎が多い。ゼノク医療チームの拠点であり、蔦沼長官の管轄施設だ。

「ゼノクは長官の管轄施設…。ゼノク医療チームの拠点…」
鼎は呟いた。なんだろう、何かある気がしてならない…。



数日後。西澤は地下の調査をしていた。

「あの噂が本当なら、地下に何かしらあるはずだが…」
ゼノクは複合型施設ゆえに、本部・支部よりも館内が広い=地下も広い。西澤は館内図を見ながら進んでいく。
すると行き止まりに。壁が気になった。


壁…?にしてはやけに薄いように見える。気のせいか?


西澤は半信半疑でその壁を押してみた。いきなり壁が動いた。


隠し通路…!?どうなっているんだ!?


隠し通路の先は薄暗い。ぽつぽつと最低限の灯りがあるだけで。

「なんなんだこれは…!」
西澤は隠し通路の先が気になるも、意を決して進むことに。西澤は懐中電灯を点けた。それでも薄暗い。


景色がだんだん殺風景になっていく。まるでシェルターの中にいるような感覚。

西澤はいきなり強く肩を掴まれた。彼は恐怖に襲われた。叫びたくても声が出ない…!
西澤の肩を掴んだ人物はぼそっとあることを呟いた。


「この場所を口外したら…許さないから」


女の声だった。西澤は横目に見る。僅かにその声の主の姿が見えた。
隠し通路は薄暗いが…顔から首にかけて包帯に覆われている女性だとわかる。服装は私服じゃない。
ゼノク隊員のブルーグレーの制服でもない、ゼルフェノアの白い制服らしきものが見えた。上着の裾が長い。女性は上着を羽織っているようだった。



翌朝。西澤は1階で気絶しているところを隊員に保護される。


「西澤室長、大丈夫ですか?」
「あれ…?ここは1階か」
「ずっと気絶していたんですよ。何かあったんですか!?」

「……包帯女を見た。うろ覚えだが…。地下は危険だ…!」



「二階堂、どうしたんだ?」

「例の包帯女、西澤室長が見たって。鼎さんが聞いた『御子柴』さんと特徴も酷似していたそうです」

「模倣の可能性もあるな…」


「でも変すぎませんか?その人、ゼルフェノアの白い制服らしき上着を羽織っていたらしいんです。
見たことのない、裾が長いタイプだとか」
「死人が生き返るなんてあり得ないが…。いや、私のように死んだように見えて実は『生きてました』パターンもあり得る」

「西澤室長、あれからなぜか地下について話たがらないんですよ。絶対地下で何かされてる。じゃないと気絶なんてしませんよ」

「ゼノクの包帯女が御子柴なわけ…ないよな…」



ゼノク。蔦沼はひとり、ある場所へと向かう。それは地下の隠し通路。
隠し通路の先には部屋がいくつかある。長官はその部屋に用があった。

部屋をノックすると出てきたのはゼノク医療チームの姫島。


「姫島、彼女の様子はどうだい?」
「わりと落ち着いていますよ。…しかし私達があの時救って良かったんですか?私達がいたからなんとか救えましたが…顔と首の後遺症は未だに消えないでいる…。彼女はあの姿には慣れてますが、表には出られなくなってしまった…」
「ゼノクで噂になっている。なんとかしないと」


「長官、正直に話した方がいいのでは…?
『御子柴紗綾』は生きてますって。まぁ私達が闇医者時代に助けたんで…なんとも言えないですが…。
身元を明かすわけにも行きませんから、彼女は名前変えているのはご存知でしょう?泉憐鶴(いずみれんかく)と」



数日後、ゼノクに動きが。


蔦沼はあの噂の真相について告白。それはあまりにもショッキングだった。


10年前に死んだはずの「御子柴紗綾」は(闇医者時代の)ゼノク医療チームにより生存→身元を明かすわけにも行かないために「泉憐鶴」と名前を変えて生きていた。

見た目が目立ち、特徴的なことから地下でずっと暮らしていたという。夜中に目撃されていたのは周りの目がない時間帯が夜だったから。
現に憐鶴(御子柴)は夜になると、敷地内の庭園をたまに散歩したりしていたとか。


制服がなぜ白い制服なのかは、蔦沼は一切明かさなかった。この10年間に憐鶴はゼルフェノアに入っていたことになる。
おそらく蔦沼は憐鶴を組織に必要なポジションだと見たのだろう。憐鶴は地下でずっと淡々と任務をこなしていた。人前に出ずに済むような、限定的な任務は密かに憐鶴が遂行していたことになる。


地下にいた姫島は憐鶴の世話役になっていた。姫島は憐鶴の包帯を取り替えたりしている。
憐鶴は常に顔全体を包帯で覆っているため、食事も困難。必然的に世話役が必要になる。彼女は視界が極端に狭いため、ガイド役も必要だった。



これに最も驚いたのは西澤。

「ちょ…どういうことですか…?御子柴は死んだはずですよね…?
ちょっと頭が追いつかない…」
「加賀屋敷達に聞いてみな。ゼノク医療チーム発足前に、彼らは御子柴の手術している。顔と首の後遺症はまだ残っているからあの姿だよ」


「じゃああの『包帯女』は…」

「実在してたの。だからといって彼女を持て囃すなよ。表では死んだことになっているんだからね。
御子柴改め、憐鶴は人前に出ることを極度に嫌っている。いいか、職員と隊員にも伝えておくが…騒ぎ立てるな。一部の入居者は薄々感じていたみたいだけども、彼女も怪人由来の被害者なわけだし…入居者との交流は許可している」



ゼノクに夜中現れる包帯女の正体を聞いた鼎は信じられない様子。

「御子柴が生きてた…?いや今は憐鶴か。ゼノク医療チームが絡んでいるって…」


ますますわからなくなってきた…。ゼノク医療チームが…。
病院が見捨てた、怪人由来の後遺症が重度の余命半年の御子柴を治療したということか?

長官はゼノク医療チームについて「踏み入れてはいけない領域」と言った。
私も加賀屋敷の治療がなければ死んでいたという。一体何者?



――ゼノク。地下隠し通路奥にある部屋。
御子柴改め憐鶴は姫島と話をしていた。

「私のように加賀屋敷さん達に救われた隊員がいると聞きました…。
き…紀柳院鼎さんでしたっけ」
「憐鶴さん、まさか自分から会いたいとは言わないですよね?逆なら可能ですが…」

「…こんな見苦しい姿で人前には出られないですよ。私の場合はガイド役や世話役がいないとならないのに。
この包帯、いつになったら外れるんでしょうか…」


「ご、ごめん憐鶴さん。もう10年になるんですよね…。包帯は外せそうにない…。
ゼノクが出来たことで怪人由来の後遺症治療技術はかなり進歩したんですが、憐鶴さんのは滅多にない症例なんです…」
「じゃあやっぱり一生このままなんですか…?」

姫島は答えられなかった。



――約1週間後。鼎はゼノクから来て欲しいと要請される。
憐鶴が蔦沼経由で会いたいと言ってきたのだ。鼎はゼノク医療チームに迫れるかもしれないと思い、承諾した。


鼎1人だけでは心もとないからと、運転手に桐谷・連れに時任を連れていくことに。
時任はゼノクにいる兄に会いたいのもあり、立候補。


移動中の車内。


「きりゅさん、なんかよくわからないけど御子柴さん生きてたんすね…。あ、今は泉さんか」

「憐鶴は過去が過去だから、極度に人前には出られないというから私が会うことにするよ。加賀屋敷に治療を受けた私には興味があるらしい…。
私と違って憐鶴は顔から首まで包帯姿だから、かなり生活に支障が出ていると聞いたな…。基本的に明るい時間帯は地下にいるというし」

「そりゃ人前に出たくないっすよ…。後遺症を隠すとはいえ、出で立ちがミイラじゃな〜…」
「本人もそれが嫌でずっと地下に籠っていたそうだ。夜ならある程度は抵抗はなくなると。だから会うのは夜だ。
夜になれば彼女は地下から地上に出てくるはず。気分転換に館内や庭園も散歩しているとか」


「なんだか複雑っすよね〜」

「これでゼノク医療チームが噛んでることは確信したからな」


桐谷がマイペースに声を掛けてきた。

「そろそろゼノクへ着きますよ。まだ午後だからそれまでは自由ですね。
時任さんはお兄さんと会うんでしょう?」
「兄貴は楽しみにしているみたいだからね!」

「私も着いたらしばらくゆっくりするか…」





特別編 (5)へ続く。


明日がだるい


話題:ひとりごと
明日、ワクチン4回目午後に行くんですが正直だるい〜。場所は行ったことないクリニックなんだが、おかんがワクチン5回目行ったところと同じなんでそこは大丈夫か?前情報聞けたし。

買い物気持ち多めに買いましたが…。明日ワクチンだし、副反応出たら動けないかもわからんし。



なぜか今日はオオカミ少年観ようかなーとか思ってる。普段は全然観ないぞこの番組。今回はTBSドラマのNG集だから見たいだけだ、それだけだ。

最新ドラマのNGあるから見たいだけです、はい。
ゲトレのNGめっちゃ見たい。



ざわ金よりは全然マシだわ。居間ではざわ金観るだろうよ〜。
おっさんおばさんがギャーギャー言ってるだけの番組、何が面白いのかわからないしMCのサバンナ高橋の扱いが雑すぎて可哀想。

ざわ金って、番組破綻してるよなー…。クイズの正解が早く出すぎたからって、出演者が勝手にルール変えるのはどうなのよ。


今日はかりそめあるから観よ。えのきの謎SP…。それよか予告で出ていた有吉の聖地巡礼のやつはそれ、聖地巡礼じゃないよ!ただ行っただけじゃーん。
かりそめはマツコと有吉だからいいんだよ。他の出演者なら嫌だろな〜。


かりそめある週はかりそめ優先。チコちゃんは翌日の再放送を観るパターン。
かりそめがない週はチコちゃんはリアタイで観ています。

金曜日はかりそめがあるかないかでめっちゃ左右されてるな…。


謎のドーナツ欲


話題:ただいま
買い物から帰ってきました。しばらく買い物に行ってなかったせいか、タガが外れかけた。
無性にドーナツが食べたくなってきたんだが、スーパーのベーカリーのサーターアンダギー衝動買いしてしまったぞ。

普段、スーパーのベーカリーのパンは買わないのだが。謎のドーナツ欲に負けた。


油であげないチョコスプレーも確保。これ、見た目はドーナツっぽいけど菓子パンです。生地が違うもの。

これとコーヒーかオーツミルクの組み合わせ、最強。



オーツミルクが地味にマイブームになってんよ、去年から…。

科捜研の女再放送、最終回じゃん。観なくては。


無題


話題:おはようございます。
昨日の拍手8個ありがとうございます。今日買い物に行くんだが、9時に家出るってよ。親父の都合で買い物は午前になった。


なぜか最近、午前中に科捜研の女の再放送見てしまってる。第何シーズンかはわからないけど。第22シーズンか?
最近、テレ朝系のドラマでゲスト俳優で忍成修吾をやたらとみるのは気のせいか?相棒は観てないですが、相棒最新話のゲスト俳優が忍成修吾だったし。

ギーツのギロリやん!と思ってしまった…。



新聞のこれから上映する映画リスト見たら仮面ライダーリバイスのスピンオフ?大二とヒロミさんのやつ…一部の映画館でも上映するんだな…。
ニチアサ観てたら予告でネット配信とあったけど、作品によっては映画も同時公開すんだっけ?

タイトルが「リバイスForward 仮面ライダーライブ&エビル&デモンズ」なんだ〜。
大二とヒロミさんの話、気になります。大二とヒロミさん、人気が高かったんだろうか…。


変身出来なくても強いヒロミさんはヤバい。ヒロミさんは大二のメンター的存在だったよね。



自己満小説本編補完・補足、4で終われるか…?4か5になりそう。
組織設立の回想やらで組織の闇ってか、実質長官の闇が匂わせ程度に出てきたんで補完しときたい。
ついに長官が鼎さんにゼノク医療チームは「踏み込んではいけない領域」とはっきり言いましたからね〜。闇全開ですよ。

本編ではゼノク編がありましたが、ゼノクは補完されてない部分がちらほら〜とあるんで。
the first後半はゼノクの補完になるかと。今月中に書いてしまいたい。


特別編 Zerufenoa The First(3)

数日後。鼎はいつも通りに来ていた。宇崎は心配してる。

「鼎、大丈夫なのか?」
「…大丈夫だから来たんだろうが」


相変わらず冷淡な言い方をするよな〜。北川はこの日も来ていた。彼はここ1週間くらい毎日のように来ているような…。


「いちかがゼルフェノア黎明期の話を聞きに来るなんて、珍しくないか?」
鼎が切り出した。宇崎が答える。

「あいつは晴斗が来るまでは最年少だったから、知らないことも多いでしょ。
いちかはお前の後輩に当たるわけだし」

「…で、今日は長官がわざわざリモートでゼノク設立当時の話をしたいわけか…」
「そうらしい。鼎、いちかのわがままにちょっとばっかし付き合っておくれよ」

「…いいよ」
鼎の声が優しくなった。鼎もゼノクが出来た経緯を知らない。



司令クラスですら曖昧なのが、この「ゼノク」という巨大研究機関も兼ねた組織の複合型施設だった。
後に完成後にゼノクとはどのような施設なのか、長官の口から司令クラス全員に説明されたが…。

ゼルフェノアの組織直属病院は数あれど、ゼノク隣接の病院は桁違いに大きい大病院。
本部・支部隣接の組織直属病院も大病院だが。



やがて時任も司令室に来て、少ししてから司令室のモニターに長官の姿が映し出される。

「お、皆来ているね。じゃあ早速…ゼノクが出来た当時の話でもしようか?」


相変わらず軽いよな〜、長官はー…。
宇崎はマイペースな蔦沼にたじたじ。



「じゃあ、ゼノクが出来た当時の話を始めるけどさ…。ゼノクが出来るきっかけになった一般市民がいたんだよ。
あれは北川が辞めるちょっと前じゃなかったっけ?あの人が来たの。連れの人と一緒だった」
「連れってか…若いカップルでしたっけ…?確か。強烈に覚えてるよ、あの人は…」

北川は覚えているらしい。



10年前。北川が組織を辞めようかと揺らいでいた頃。


本部にある一般市民が訪ねてきた。一般市民は2人。

1人は20代前半くらいの男性、もう1人は女性なのは体格や背格好・髪型でわかったが顔から首にかけて包帯で覆われているため、わからない。
完全に包帯で顔を覆っていた。目元すらも見えない状態。目元には僅かな隙間があるように見えたが、見えているかもわからないような出で立ち。


「ミイラ女」だ…と北川は感じたが言ってはいけないと察する。


「…あ、あの君たちは何の用で来たんだ?ここ…一般市民は無断で入れないはずだが」

男性が答える。男性は包帯姿の女性の手をずっと握っていた。
「入館許可は事前に貰いました。…あの、彼女を助けては貰えないでしょうか!?」
「彼女って…」

北川は顔から首を包帯で覆われている女性を見る。女性からは見えているらしく軽く会釈した。


「俺達、怪人の襲撃に遭ったんです。俺は無傷でしたが…彼女は人前では顔を見せられない姿になってしまって…」
「…だから包帯姿なのか……。見えにくくないか?視界」


女性は答えた。か細い声だった。
「この姿にはもう慣れましたから…。かろうじて見えていますよ。
外出する時はつばの広い帽子か何かで隠さないとならないですが、仕方ありません…」

男性も続ける。
「病院にも行きました。ですが…このままだと彼女が死ぬかもしれないと宣告されて…!後遺症だと診断されました。怪人由来の後遺症って…」


怪人由来の後遺症!?初めて聞いた…。


「ちょ、ちょっと待ってて。長官呼ぶから。それから話をする場所を変えようか。司令室だと都合が悪い」



「――その2人がゼノクが出来るきっかけだったんですか?長官」
「時任、鋭いな。その時わざわざ本部を訪ねてきた2人がきっかけで『怪人由来の後遺症』を知ることになったんだ」

「その女の人、どうなったんですか…。話聞いてる感じだとかなり重いっすよね…後遺症。顔から首にかけて包帯って…」
「彼らが本部を訪ねてきてから約3ヶ月後に彼女は亡くなったよ。後遺症が重くてね…なかなか回復しなかったんだ」


……え?


「怪人由来の後遺症について調べたが…軽度から重度まであるらしく、当時はそれらの情報収集するので組織は手一杯だった。
もう少し早く気づいていれば、彼女は救えたかもしれなかったんだ…」



その包帯姿の女性の名は御子柴と言った。男性はその彼氏で新島と言ったという。


新島と御子柴は応接室に通された。新島は視界が極度に狭い御子柴をエスコート。

蔦沼は御子柴の姿を見た。


「怪人に襲撃されたのはいつ頃かな」
蔦沼は優しく聞く。

「……だいたい1ヶ月前です」
「新島さんはほとんど無傷だったんだね。御子柴さんは…」
「……見ての通り、重傷ですよ。顔…見ますか?やめた方がいいですよ…。変わり果ててしまったのですから…」


当時の組織直属病院は怪人由来の後遺症治療技術はなかった。
それもあり、怪人由来の後遺症は見過ごされたことになる。御子柴は包帯姿ゆえに奇異な目で見られるのが嫌だったという。


「紗綾を助けてくれよ…!」


新島は切実だ。新島は御子柴の襲撃前の写真を蔦沼と北川に見せる。
清楚系の女性といった感じか?顔は可愛い。


「…私は一生、このままの姿で過ごすことになるんでしょうか…。そんなの…嫌だ…。こんな包帯姿で過ごせって…」

御子柴は両手で顔を覆った。新島は御子柴の肩に手を回す。
「紗綾は病院で重度の後遺症だと診断されました。治す手立てが今のところないって言われて……絶望しています」


蔦沼は考えこむ。
「後遺症治療が急がれるな…。怪人由来はどこにもない。そのための場所を…作ろう」

「紗綾は助かりますか!?」
「今のところはわからない…。何か医師に言われなかったか?彼女について。重度となると余命とか」

「半年持つかわからないと宣告されています。
…私は…生きる希望を無くしました…。この姿になってからは家族とも会ってません。悲しむから」


蔦沼は彼らが帰った後、「怪人由来の後遺症治療」に特化した施設が必要だと強く感じた。

新島と御子柴は帰った後病院に向かったという。御子柴の経過観察らしい。



時任と鼎はこの話を聞き、かなり複雑になっている。


「その御子柴が来なかったら、ゼノクは出来なかったのか…」
鼎も深刻そうに呟く。

「御子柴の後遺症は誰が見ても重度だったからね。
顔から首にかけて包帯で覆われている時点でおかしいと気づくでしょう。それと新島は御子柴を治すために、ずっと病院を探していたと聞いた…。でも見つからなかった」

「ゼノクが出来たのは8年前だと聞いた。新島はそれを知ったのか?」
「知ったみたいで、わざわざ完成したゼノクに来てくれたよ。御子柴の写真を持ってきてね。
彼女の死から約2年だった…」

「え…」
「御子柴さんは後遺症の悪化で亡くなったの…?」


蔦沼は静かに頷いた。

ゼノクが出来たきっかけがあまりにも…。時任は涙目になっている。
鼎も思わず顔を背けた。


犠牲の元に出来た施設がゼノクだったと知り、沈黙する2人。

蔦沼はこんなことを切り出した。
「ゼノクに石碑があるだろう?庭園に。あれはね、慰霊碑なんだ」


確かにゼノクの庭園には石で出来たモニュメントがあった。あれ…慰霊碑だったのか。
ゼノクは怪人由来の後遺症治療をメインとする施設。後遺症の犠牲者もいる。



鼎は蔦沼にあることを聞いてみた。

「加賀屋敷について聞きたいのだが。それにゼノク医療チームとは一体なんなんだ?」
「それを聞くとは紀柳院、踏み込んではいけない領域だよ」


踏み込んではいけない領域?どういうことだ?

鼎は困惑。宇崎と北川も理解出来てない模様。


「そろそろ切り上げようか。紀柳院、身体をもう少し気遣ってあげなさい。
検査結果次第ではまた加賀屋敷の世話になるかもしれないのに…」





特別編 (4)へ続く。


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