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特別編 本部の長い1日(4)

本部の外では二階堂と機動隊が武装集団に悟られないようにして、突入。目指すは講堂。

「講堂には武装集団が5人います。隊員はそこに集められ、人質にされていますね。
私達は宇崎司令・紀柳院司令補佐と合流しましょう。なにか…嫌な予感がするんです、急ぎましょう」



管理塔では御堂vsハヤウエがまだ戦っている。かれこれ10分以上は格闘している状況。
御堂の銃は対怪人用なため、当たっても人体には無害。痛みはあるが。

武装集団は全員実弾のマシンガンや銃を持っている状況。つまり、武装集団に撃たれたら最期なわけで…御堂はかなり危ない状態で格闘を繰り広げていた。


ハヤウエとかいうリーダーはこんなことを言ってきた。そして、さりげなく「何か」の起動ボタンを押した。

「時限爆弾、起動させたよ。3つ目の爆弾…早く止めないと本部は壊滅だよ?」
「爆弾!?」
「今までの2つよりも威力の強いものを『講堂内』に仕掛けた。隊長、俺と戦ってる場合じゃないよね?
早く止めないと悲惨なことになるよ〜?」


御堂はハヤウエの手元を見た。爆発まで残り10分切ってる!?
管理塔からダッシュで行って間に合うのか!?最短ルートを使うしかないか!?

御堂は一瞬迷いを見せた。こいつを倒したいが、隊員優先だ…。室長と鼎のこともある。


御堂はハヤウエのみぞおちに強烈なパンチをお見舞いすると管理塔を出た。
走りながら御堂は宇崎に伝える。

「講堂に時限爆弾が仕掛けられてる!早く止めないと全滅だぞ!!」
「御堂、本当か!?」
「こっちは最短ルートで向かってる。爆発まで残り10分切ってるんだっての!!」


「…わかった。講堂に突入するよ。二階堂も合流したから大丈夫」
「どこが大丈夫なんだよ!?講堂にはまだ5人いるだろ武装集団が!」

「和希、早く来い」
鼎の声が聞こえた。



講堂に通じる扉の前では二階堂達が合流。二階堂は通信で三ノ宮にある指示を出した。

「講堂に通じる扉以外、全て開けろと?」
「逃げ道をあえて作るんですよ。講堂には爆弾が仕掛けられてますからね、隊員優先でしょう」


講堂に通じる扉以外の全ての防弾シャッターが開いた。

二階堂は三ノ宮にさらに指示を出す。
「講堂の扉を解除して下さい。紀柳院さんがいますから、私達は撃たれないはず」
「二階堂、無謀すぎますよー!」


三ノ宮はエンターキーを押した。講堂に通じる扉が開く。

読み通り、2人の武装集団がマシンガンを向けてはいたが…白いベネチアンマスクの若干デザインが違う白い詰襟の制服姿の女性を見るなり、マシンガンを降ろす。


紀柳院司令補佐!?


5人の武装集団は仮面の司令補佐に圧を感じたのか、全員銃を降ろした。
鼎は5人に強く言う。

「隊員達を今すぐ解放しろ。お前達…私に危害を加えられないのだろう?早く解放しろと言ってるのがわからないのか?」


彩音と時任は鼎の圧にびくびくしていた。

鼎は顔の大火傷の跡を隠すために仮面を着けているが、表情がないぶん圧が増しているように見える…。


知ってるきりゅさんじゃないよ…。なんか怖い。


5人は鼎の圧に負け、隊員を解放。講堂から次々と隊員達は外へと出ていってる。

狭山達も突入し、爆弾を探している。機動隊は5人を確保。残りの機動隊も気絶している武装集団を確保していた。



御堂はかなり荒っぽいやり方で講堂へと向かっていた。


あと5分ない…!ヤバいぞおい!!



講堂では時限爆弾を捜索中。


「一体どこに仕掛けた?」
鼎が呟く。隊員達はグラウンドに避難していた。

「司令と司令補佐は逃げて下さい!時間がありません!!」
「二階堂達もそれどころじゃないだろうが!!」


狭山は舞台袖に不審な紙袋を見つけた。
「それらしきものがあったぞ。舞台袖に」

なぜか宇崎と二階堂がその爆弾を数秒で確認。
「正しいコードを切れば止まるタイプですね…。赤と青」
「残り時間3分切ってるぞ!?正しいコード、わかるか?」


鼎は講堂に通じる通路を見た。和希なら知ってるかもしれない。
リーダーと接触したのは和希のみ。



御堂は猛ダッシュで講堂へ到着。


「和希!」
鼎は思わず声を上げる。

「鼎は無事か!室長は?」
「二階堂と一緒に爆弾止めようとしているよ。舞台袖にいる」

御堂は軽やかな動きで舞台袖へ行くと、その爆弾を見た。
「室長、二階堂、お前ら逃げろ。鼎達も避難させてくれ」
「和希、ひとりでやる気か!?」

宇崎はヒヤヒヤしながら言ってる。


「正しい色…わかったんだよ。早く避難しろって」
宇崎達は急いでグラウンドへ。鼎は身体のこともあるため、早足で避難。

御堂はペンチで赤いコードを切った。残り時間は30秒を切っていた。



御堂は覚悟をしたのか、死ぬと思っていた。彼の選択は正しかったようで、爆弾は爆発せず。
御堂はへたりこんだ。

「危ないところだった…」



グラウンドでは何も起きなかったことから、鼎達も安堵していた。

「和希、やってくれたみたいだな」
「鼎、和希のところへ行ってきなさいよ。会いたかったんでしょ?」
宇崎は促す。

「きりゅさん、あたしも行っていい?あやねえときりやんも行きたがってる」

「いちか、一緒に行こうか」
鼎の声が優しくなってる。



講堂では冷や汗だらだらで御堂がへたりこんでいた。

「和希!」
「鼎…あれ、お前らまで来たのかよ」

御堂は彩音・時任・桐谷と宇崎も見る。彼はようやく立ち上がった。

「鼎、怪我はないか?」
「大丈夫だよ」
「良かったぁ…」


御堂は自然と鼎の手を握っていた。鼎の震えはようやく治まる。
「怖かったんだろ。鼎…お前もすごかったらしいじゃないか。聞いたぞ。圧でけしかけたってやつ」

「あの時のきりゅさん…完全に『司令補佐』だったよ。補佐とは思えない威圧感があったもの…」
「いちか、ビビらせてすまないな」
「きりゅさん、気迫ありすぎだよ…。仮面のせいもあるのかなぁ」


あの時の鼎はかなり威圧感があったらしく、「紀柳院司令補佐」は存在感を放つことになる。
冷淡な話し方だが、隊員優先なあたり。



後に武装集団のリーダー・ハヤウエはどさくさ紛れに逃亡したことが判明。
ハヤウエ以外のメンバーは寄せ集めだったと明らかにされる。この武装集団のメンバーの名前は全員通称で、本名ではない。


鼎はレオナと接触していたが、彼女に関する情報は裏の人間…それも闇看護師であること以外、わかってない。

御堂が接触したリーダー・ハヤウエと鼎が接触したレオナは繋がりがないことが判明する。つまりレオナも寄せ集めだったわけで。



本部は犠牲者1名・爆発による被害が2ヶ所・管理塔も被害に遭っていた。

本部占拠は後味悪い感じに終わった。武装集団による本部占拠は約5時間に及んだ――



ニュース速報で「ゼルフェノア本部占拠、武装集団逮捕」を見た晴斗はニュース映像を見ながらある人に電話をしていた。


「鼎さん!?ニュース見たよ!鼎さん達は無事だったの!?」
「和希のおかげで助かったが…犠牲者が出た」
鼎の声が深刻そう。

「晴斗、私達ゼルフェノアは怪人相手には強いが…人間相手になると弱い。制約がある。
武装集団相手にした時、和希や室長は気絶させたと聞いている。手加減しないとならないからな」


人間相手はかなり厄介らしい。対怪人用装備なら気絶させることが出来るんで、それを使ったと聞いた。
御堂さんはほとんど肉弾戦だったらしいが。



鼎はレオナにまた会うのではないかという、予感がしていた。レオナは通称。

レオナが鼎に言った「あなたの味方です」とはなんだか意味深だが…。



「室長、あいつらなんで鼎を丁重に扱ってたんだろうな〜。よくわからん。…てか、あのハヤウエとかいうやつ…何がしたかったわけ?」
司令室では御堂と宇崎が話をしてる。

「寄せ集めメンバーで占拠って計画的だよな。組織を乗っ取りたいなら、なんで長官がいるゼノクを狙わないのって話だよ」
「それにあいつら、本部を把握していた。三ノ宮がいなかったらここは壊滅していたな…」



鼎はこの事件後、時々恐怖に苛まれることに。
たまに手が小刻みに震えてしまい、司令補佐業務に支障が出る状態になってしまう。


「鼎、お前…ちょっとは休んだら?精神的に不安定なんだろうな…。
俺らがいるから休み休みやればいいよ。時任もああ見えてかなり傷ついてたみたいだから、本部占拠事件で心の傷を負った隊員は多いかもな…」
「…休んでもいいのですか」

「お前は身体のこともあるんだ、心身不調だと支障が出るでしょ。
戦えない身体であんな無茶するんだもんよ…。本当は銃の反動で身体、キツかったんだってな」


室長には見抜かれていたのか…。

あれは感情的になってやったものだが、実はかなり息が上がっていた。
鼎は仮面を着けているため、パッと見わかりにくい。


「鼎、今はまあまあ平和なんだ。身体を労れ。そしてゆっくり休みなさい。事件当日、発作を起こしたんだろ?重い発作だと聞いたからさ…命には別状ないが、念のため…ね」
「…はい」

鼎の声はかなり疲弊したようだった。



この「ゼルフェノア本部占拠事件」は組織に大きな爪痕を残した。
セキュリティ強化に加えて、制服や隊員証の偽装対策も強化。組織の施設に出入りする業者や取引先も徹底して監視。

精神をやられた隊員もいるあたり、その爪痕の深刻さが伺える。
あの元気な時任ですら、近くで隊員が射殺されたのを目撃したせいか、精神的にかなりの傷を負っている。


隊員の心のケアが急がれるような状況に。鼎もまた、本部占拠事件で心に深い傷を負ったひとりだった。


無題


話題:おはようございます。
昨日の拍手9個ありがとうございます。昨夜はマツコの知らない世界→大奥観てから寝ました。
大奥家光編、次回もか。


今日はおかんが通院なので休み、明日はそのおかんがコロナワクチン5回目行くんで休みだ…。

今日はこれといって見たい番組がないんで、早く寝るかもしれん。



画像は1・2月のヒーリングアクアリウムカレンダー。ハンドウイルカさんだよ〜。


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