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埼玉県川口市に集住するトルコの少数民族クルド人と地元住民らの軋轢が表面化している問題で、大野元裕知事は28日の定例記者会見で「一部トラブルは認識している」とした上で「クルド人に限らず、ヘイトスピーチは地域社会から徹底して排除されなければならない」などとクルド人に言及して持論を述べた。
この日、大野氏は記者から「いまネット上で『川口市の治安が悪化している』と騒がれている。知事は川口市出身だが、体感としてどう思われるか」と問われ、「外国人の中には日本語や日本の生活の理解が十分ではない状況があり、逆に地域住民の中には外国人の増加に不安を抱える状況がある。このため一部で軋轢やトラブルが生じていることは認識している」と指摘。
治安維持対策として昨年夏、県警に厳正な対処を要請し、県の新年度予算で川口北警察署(仮称)整備へ財政措置を講じていると説明した。
また、「クルド人や支援団体へのヘイトスピーチが徐々に激しくなっていると聞くが、どう思われるか」と問われ、「クルド人に限らず、ヘイトスピーチは地域社会から徹底して排除されなければならない」と強調。
「県民の皆さまについても、一人一人がヘイトスピーチを許さないという思いを持って、日本人と外国人がともに地域を支える共生社会の構築を目指していきたい」と話した。
大野氏は自身が参院議員時代、ヘイトスピーチ解消法の起案に一部関わったことに触れ、「外国ではヘイトスピーチや人種差別は極めて重い形で受け取られている。日本だけがそうしたところから外れて、ある意味遅れていると見られるのは心外であり、日本人の温かみで共生社会をぜひ作り上げていただきたい」と述べた。
■【「移民」と日本人】<独自>不法滞在のクルド人男性に埼玉県の大野知事が感謝状 難民申請中に100万円寄付 - 産経ニュース
トルコの少数民族クルド人の30代男性が実質経営する解体工事会社が埼玉県に100万円を寄付したとして、大野元裕知事が22日、男性に感謝状を手渡していたことが分かった。男性は難民認定申請中で、入管施設への収容を一時的に解かれた仮放免の立場にあり不法滞在の状態が続いている。県は「ご本人の立場は承知しているが、寄付は法人からのもので問題はない」としている。
寄付したのは地域の福祉活動などに使う「シラコバト長寿社会福祉基金(シラコバト基金)」。県によると、大野知事が知事室で男性に感謝状を手渡した。知事は「大切に使わせていただく」と述べ、男性は「埼玉県に貢献するため、特に子供たちの明るい未来に向けて役立ててほしい」と話したという。
同基金では法人は50万円以上、個人は10万円以上の寄付に対して県が感謝状を送っている。希望者には贈呈式が行われ、男性側が希望したという。
男性は約20年前に来日、川口市内で解体工事会社を実質経営する一方で難民申請を繰り返し、5回目の申請中。現在は仮放免され、不法滞在の状態という。
県福祉政策課は「ご本人が難民申請中で仮放免中なのは確認した。寄付は法人からのもので、ご本人は『会長』と名乗っているが法人の役員ではないことも確認している。感謝状は必ずしも法人の代表者が受け取るものではなく、贈呈式は本人から希望があったので行った」と話した。
同基金は昭和52年設立で、令和5年度はこれまでに17個人・法人が感謝状を授与されている。