『永遠のソール・ライター展』
先日、行ってまいりました。


傘とガラス越しがフェチな人間に刺さりすぎる写真ばかりでした。個人的にいつぞやの映画でソール・ライターの名前を知ったと思いましたが、もしかしてそれ以前から知っていたのかな?と思えるくらい性癖に刺さる写真ばかりで、こまりました。

傘と窓越しの世界。

一番最初に出てくるのは『足跡』という、雪の中を赤い傘をさして歩く一枚。
これをどこで見たのか定かではありませんが、この写真の人〜というイメージがとてもつよい。
白い雪の中、鮮やかな赤い傘。
表情は見えず、どんな面持ちで歩いているのかはわからない。とにかく、白と、踏みしめられた足跡のついた路面肌の黒、赤い傘。この三色コントラストが美しい。ぱきっとしている。
以前から1000の大好きでも申し上げているように、『傘』をさす姿が好きでたまりません。
もちろんシルエットとしての美しさと、絶妙に表情の隠れ、その真理がわからない感じがたまらない。
特にソール・ライターの世界、「雪の日の傘」はもちろん、身を守るためであるだろう。しかし、切羽詰まっているようでもない。穏やかさも、優雅な時間の流れも感じます。
本当のと心はどうなのかは分からなですが、その一瞬は時間が止まった世界。一瞬が永遠に残る瞬間。
写真というものがそもそも、一瞬を切り抜くものではあるけれど。それでも、残すために意図的にその瞬間を作ったのではなく、本当に日常の一瞬だったんだろうな〜という写真がとても心くすぐります。
明確な表情が見えるわけでない。
後ろ姿、横顔、足先。それでもそこに人が生きていた瞬間がある、というその切り抜き方がとても素敵です。