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2024年3月29日 5時11分 国連安全保障理事会
外務省は28日、国連安全保障理事会が北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの任期を1年延長する決議案を否決したことに関し「遺憾」とする小林麻紀外務報道官の談話を発表した。ロシアの拒否権行使を「安保理理事国としての重責に反する行為で、残念だ」と指摘した。
国連の安全保障理事会では、北朝鮮に対する制裁の実施状況を調査する専門家パネルの任期を延長する決議案が、ロシアの拒否権によって否決されました。専門家パネルの活動が打ち切られれば、国連の北朝鮮に対する監視が弱まることが懸念されます。
安保理ではこれまで、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮に対する制裁の実施状況について、各国の専門家からなるパネルが調査を行い、毎年報告書をまとめてきました。
28日、この専門家パネルの任期を延長する決議案が採決にかけられ、日本やアメリカなど13か国が賛成しましたが、中国は棄権し、ロシアが拒否権を行使して否決されました。
採決にあたりロシアのネベンジャ国連大使は「制裁は北朝鮮を締め上げるためのアメリカと西側諸国による前例のない政策だ」と述べ、制裁そのものを見直すべきだと主張しました。
各国からは拒否権を行使したロシアを非難する意見が相次ぎ、このうち日本の山崎国連大使は「ロシア自身が北朝鮮から軍事装備を調達してウクライナで使用し、安保理決議に違反しており、無責任で恥ずべきことだ」と非難しました。
2009年に設置された専門家パネルは、15年にわたって北朝鮮がどのように制裁を逃れ核・ミサイル開発を続けてきたかを調査し、3月に公表した報告書では北朝鮮が違法なサイバー攻撃で外貨を獲得していると指摘し、武器や弾薬をロシアに供与している疑いも調査しているとしていました。
専門家パネルの任期は4月30日までで、このまま活動が打ち切られれば国連の北朝鮮に対する監視が弱まることが懸念されます。
アメリカ・ホワイトハウスのカービー大統領補佐官は28日記者団に対し、ロシアが拒否権を行使したことについて「彼らの無謀な行動は、北朝鮮の核実験と弾道ミサイルの発射に対して科している重要な制裁をさらに弱めるものだ」と述べ、ロシアを非難しました。
■日本、遺憾の談話発表 北朝鮮巡るロシア拒否権に「理事国の重責に反する行為」 - 産経ニュース
外務省は28日、国連安全保障理事会が北朝鮮制裁委員会の専門家パネルの任期を1年延長する決議案を否決したことに関し「遺憾」とする小林麻紀外務報道官の談話を発表した。ロシアの拒否権行使を「安保理理事国としての重責に反する行為で、残念だ」と指摘した。