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美浜原発3号機と高浜原発1〜4号機の仮処分 きょう判断へ | NHK | 各地の原発
2024/03/29 06:54
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美浜原発3号機と高浜原発1〜4号機の仮処分 きょう判断へ | NHK | 各地の原発

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240329/k10014405801000.html

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福井県にある関西電力の美浜原子力発電所3号機と高浜原発の1号機から4号機について、住民たちが老朽化による事故の危険性などを主張して運転しないよう求めている2つの仮処分の申し立てに対し、福井地方裁判所が29日、判断を示します。

福井県などの住民は、去年とおととし、関西電力の美浜原発3号機と、高浜原発1号機から4号機について、設備の経年劣化に加えて巨大地震への耐震性が不十分で、重大な事故が起きる危険性があり、避難計画にも不備があるなどと主張して、関西電力に対し、運転しないよう求める仮処分をそれぞれ、申し立てています。

一方、関西電力は「必要な耐震補強工事を行い、経年劣化を加味した耐震安全性評価を行って安全性を確保している」などと主張し、申し立てを退けるよう求めています。

原発の運転は東京電力・福島第一原発の事故のあと、原則40年に制限されていますが
▼美浜原発3号機と
▼高浜原発1号機、2号機は
原子力規制委員会の認可を受けて運転開始から40年を超えて再稼働していて
▽高浜原発3号機と4号機は、来年、運転開始から40年となります。

美浜原発3号機をめぐっては、今月15日、大阪高等裁判所が、別の住民たちが運転しないよう求めた仮処分の申し立てを退ける決定を出しています。

福井地裁の判断は29日午後1時に示され、原発の安全性について、どう判断するのか注目されます。

主な争点と主張

住民側は、関西電力の美浜原子力発電所3号機と高浜原発の1号機から4号機を運転しないよう求める仮処分の申し立ての中で、老朽化による事故の危険性などを主張しています。

1 老朽化による危険性

美浜原発3号機と、高浜原発1号機・2号機は運転開始から40年を超えて再稼働していて、高浜原発3号機と4号機は来年で運転開始から40年となります。

最も注目される争点は、運転開始から40年を超える原発の安全性が確保されているかどうかです。

住民側は「老朽化した原発の運転は事故が起きるリスクを飛躍的に高める。劣化対策の難しさは、40年近く稼働する高浜原発で、4号機にケーブル不良が起きたことや、3号機の配管がすり減ったことからも明らかだ」などと主張しています。

これに対し、関西電力は「運転期間40年を超える延長認可申請でも特別点検や劣化状況の評価などを行い、原子力規制委員会から運転延長が認められている。運転を開始してから60年時点での経年劣化を加味した耐震安全性評価を実施し安全性を確保している」などと主張しています。

2 地震に対する安全性

地震に対する安全性が確保されているかどうかも争点となりました。

住民側は、余裕を持たせた耐震設計がされていないとしたうえで、このうち美浜原発3号機については「原発の敷地と震源となる活断層との距離が1キロに満たないため、震源が敷地に極めて近い場合の地震の揺れについて考慮すべきだ」などと主張しています。

一方、関西電力は「いずれの原発でも必要な耐震補強工事を実施し、すべての安全上重要な設備について、原発で想定される地震の揺れの強さ=基準地震動に対する耐震安全性を確認している」としたうえで、美浜原発3号機については「原子力規制委員会の審査で、震源が敷地に極めて近い場合に該当しないと判断されている」などと主張しています。

3 事故時の避難計画

さらに、原発事故が起きた際の避難計画についても争われ、住民側は、ことし1月に起きた能登半島地震を踏まえ、家屋が倒壊して屋内退避ができなかった場合を想定しておらず不備があるとしています。

これに対し、関西電力は「国の支援のもと作成された避難計画を含む緊急時対応は、国の原子力防災会議で原子力災害対策指針に照らして具体的で合理的であることが確認されている」などと主張しています。

美浜原発3号機とは

福井県美浜町にある関西電力・美浜原子力発電所3号機は、1976年に営業運転が始まり、運転期間を原則40年とする現在の制度のもと、40年を超えて稼働しています。

発電出力は82万6000キロワットと、一般家庭のおよそ185万世帯が1年間に使用する量に相当します。

2004年には、運転中にタービン建屋の配管が破損して高温の蒸気が噴き出し、作業員5人が死亡、6人が大けがをする事故がありました。

事故の前には、破損した配管が運転開始から28年間、1度も点検されていなかったことを把握していたものの、対策をとらなかった関西電力の対応が問題となり、運転再開までに2年半かかりました。

その後、2011年に起きた東京電力・福島第一原発の事故を受け、法律で原発の運転期間が原則40年に制限される中、2016年に事故後、発足した原子力規制委員会の新たな規制基準の審査と、運転期間の延長に必要な審査の両方に合格しました。

そして、必要な安全対策工事を完了させ福井県などの同意を得て2021年に再稼働し、40年を超えて運転を続けています。

美浜原発3号機をめぐっては、今月15日、大阪高等裁判所が「設備の経年劣化の懸念は否定できないが、特別点検の結果、原子炉容器などに有意な欠陥や劣化は認められず対策が不十分とはいえない」などとして、別の住民たちが運転しないよう求めた仮処分の申し立てを退ける決定を出しています。

高浜原発1号機〜4号機とは

福井県高浜町にある関西電力・高浜原子力発電所は、1号機から4号機まで4つの原子炉がある原発で、最も古い1号機は1974年、2号機は1975年、3号機と4号機は1985年にそれぞれ営業運転を開始しました。

すべての原子炉が稼働した状態の発電出力は、合わせて340万キロワット近くで、一般家庭のおよそ762万世帯が、1年間に使用する量に相当します。

2011年に起きた東京電力・福島第一原発の事故を受けて4基とも運転を停止した状態が続きましたが、1号機と2号機は、事故後に発足した原子力規制委員会の新たな規制基準の審査と、運転期間の延長に必要な審査の両方に合格し、去年、原則40年の運転期間を超えて再稼働しました。

一方、3号機と4号機は新たな規制基準の審査に合格し、再稼働に向けた準備を進めていましたが、2015年4月、福井地方裁判所が再稼働を認めない仮処分の決定を出しました。

その年の12月には別の裁判長が決定を取り消し、2016年に一度、再稼働しましたが、このうち4号機は原子炉を起動した3日後、発電と送電を開始する際のトラブルで原子炉が自動停止しました。

同じ年に大津地裁が、3号機と4号機について、想定される地震の揺れの評価方法が不十分だなどと指摘し、運転停止を命じる仮処分の決定を出したため、関西電力は運転中だった3号機の原子炉を停止させ、裁判所の判断で稼働中の原発が停止した初めてのケースとなりました。

その後、大阪高裁が運転停止の決定を取り消し、高浜原発3号機と4号機は運転を再開し、来年にはいずれも運転開始から40年となることから、去年、原子力規制委員会に運転期間の延長のための申請を出しています。










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