掃いて捨てる
0402
:彩雲国
誰のモノ
『お前はオレのものだ』
『いや、私は誰のものにもならないわ』
そんな会話を漏れ聞いた。
別に覗いた訳じゃない。あっちが勝手に道端でやってたんだ。
迷惑な痴話喧嘩。燕青と同じような目で静蘭もその様子を見ていた。
だから好奇心で静蘭に聞いてみる
「静蘭は自分が誰のモノだと思う?」
「はぁ?」
「ちなみに俺は自分は自分だけど、静蘭のモノでもいいぜ!」
ニカッて笑ってこんな情熱を告げたのに、危うく静蘭に殴られかけた。
「っぶね!」
「お前が変なことを言うからだ。で、私が誰のものかだったな」
「え?」
答えてくれんの?!と驚く。
私もお前のモノならなってもいい、とか言われたらここで押し倒しちゃうかも。なんて幸せな妄想まで膨らんだ。
しかしそんな甘い訳もなく
「この家の家人としては、旦那様とお嬢様のモノだ」
「ああ…だよな…」
「だが彩雲国の民なんだからりゅ…、主上のモノと言うみかたもあるな」
「は?いや、それは」
「ああ、だがそれでいくと燕青も同じか…?」
それはちょっととかブツブツ言い出す静蘭。
その頭に俺のモノって考えが一寸もないってことはよく分かった夜だった。
終わり
やまなし意味なしオチなしw
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