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政府は29日、人手不足の業種で外国人労働者を受け入れる「特定技能」制度の対象に、バスやタクシー、トラック運転手などの「自動車運送業」を追加する閣議決定をした。外国人のタクシー運転手はすでにわが国で働き始めている。
現状は狭き門だが…
東京都内の大手タクシー会社「日の丸交通」では平成29年から業界に先駆けて外国人運転手の採用を始め、昨年末時点で27カ国・地域の96人が在籍する。全社員の5%を占める彼らは、タクシーやバスなど旅客を運ぶ車の運転に必要な「第2種運転免許」の合格者たちだ。
同社採用部の古舘博幸部長(55)は「タクシー運転手として働きたい外国人は多いが、言葉の壁が厚かった」。
トラックなどを運転する準中型以上は外国の免許を比較的簡単に日本の免許に切り替えられる「外国免許切替」が主流で外国語での受験機会も広がっているが、2種に切替制度はなく、試験も日本語に限られている。
イタリア出身の男性運転手(44)は滞日16年。日本人と結婚して永住権を持ち、英会話講師をしていたが、新型コロナウイルスの拡大で休校が増え、令和3年に転職した。
会話に自信はあったが、日本語の試験は厳しく、マークシートの文章問題90問、イラスト問題5問を50分で解かねばならない。100点満点で合格は90点以上。パスしたのは8回目だった。