鐡の予想通り、強化戦闘員が市街地に出現。今回は鐡一派が片付けるというのでゼルフェノア隊員は一切出番なし。

「鐡一派が元老院にガチで殴りこみかけてきた…」
晴斗、端末のライブ映像見ながらボヤく。



某市街地。鐡一派の3人はそれぞれ武器を構えていた。鐡は杞亜羅(きあら)と釵游(さゆう)に言う。

「思いっきり暴れてもいいぜ」


杞亜羅は扇子を出すと、戦闘員複数に対して舞を舞うかのように攻撃。
「戦ったの、久々な気がするわ」


釵游は十文字槍を出現させ、鮮やかな槍さばきで強化戦闘員を一気に仕留めてる。
「これで『強化』だと?ふざけんな」

釵游、物足りない様子。


鐡はどこからか刀を出現させた。刀身が紫色のもの。

「さっさと出てきやがれ、絲庵(しあん)」
鐡は強化戦闘員を作り出した相手を既に見抜いていた。絲庵、まさかの鐡からの名指しにビビる。



異空間では絲庵が出るべきか迷っていた。

「長、私は出るべきでしょうか」
「挑発に乗るな。鐡一派の煽りはゼルフェノアの罠かもしれんぞ」


鐡は純粋に煽っているだけなのだが。
「けっ、つまんねーの。おい杞亜羅・釵游。さっさとこいつら叩きのめすぞ。
強化戦闘員を作り出したやつはもう、わかってんだ。元老院のやり方には虫酸が走るんだよっ!」


鐡は絲庵に迫る勢いで次々強化戦闘員を倒してる。
元老院とは違うのは、3人とも人間態だけで戦ってること。
鐡一派は元のスペックが元老院よりも高いことを示していた。これはゼノクであった鳶旺(えんおう)戦でも証明されている。


やがて鐡一派は短時間で強化戦闘員全てを倒していた。

「ぬるいぜ、こんなん。ちまちまちまちま戦闘員ばかり出してねーでそろそろ来いよ、元老院」

鐡はかなり煽っている。それも楽しそうに。



晴斗達は鐡一派の強さに圧倒されていた。今は味方だから頼もしいが、敵のままだったら勝てる相手じゃない!

鐡には彼なりの策があるようだ。元老院を潰すための策が。



本部・司令室。鐡はまたこんなことを宇崎に持ちかけていた。


「強化戦闘員の元締めを倒す!?もうわかったの!?
行動早すぎないかお前ら…」
「司令よぉ、こっちは元老院をさっさとぶっ潰したいわけ。このまま放っておくと、人間界がえらいことになるぞ…?」

半分鐡は脅迫していた。鐡の圧力には敵わない。
鐡はカリスマ性があるだけに余計にな。



ゼノク・司令室。
蔦沼は宇崎経由で鐡一派のことを知る。


「別に良くないか?鐡一派が強化戦闘員の元締め倒すって言うなら、彼らにやらせてあげようよ」
「ちょ、長官あっさりしすぎ!」

「え?いいじゃない。今は鐡一派は味方だけどさ、いつ裏切るかなんてわからないし今のうちに敵同士戦わせておこうってわけ」
「長官もセコいですね…」


この人…時々何考えてるかわからない時がある。長官は自由奔放すぎるせいもあるのだが。


「そいじゃあ、強化戦闘員の元締めの元老院撃破担当は鐡一派に任せるね」

そんな軽いノリでいいのか!?



異空間・鐡一派は久々に異空間へと戻っていた。

「あっさり許可が出ましたね。鐡様」
「杞亜羅、許可も何もあるかよ。あの長官のことだ、こうなるのは予想していたぞ」
「しかし、鐡…よくまあ強化戦闘員を作り出したやつを突き止めたよな」

「釵游、簡単すぎたぞ。元老院は詰めが甘い。こんなんで人間界をどうこうする気らしいから意味わからん」
「鐡も強引な気が…」


「とにかく元締め倒すぞ。強化戦闘員はめんどくせーからな。まぁ、あいつでしょ。作ったのはよ」