桐谷は水棲態怪人1体と交戦中。ロケット砲を撃ち込んだりと普段よりも荒々しい。
「なかなかしぶといですねぇー」
あの普段ニコニコしている桐谷が若干、イラついてる。霧人はビクッとした。
桐谷さん、こえぇ…。マジモードじゃん。
霧人もクルー達と共に攻撃してるが、相手は水に潜るために苦戦中。
ネオメギド水棲態もう1体は戦艦と交戦中。隊長の碇がかなり好戦的。
「瀬野!砲撃して!」
「了解っ!」
次々と砲撃する瀬野。怪人は被弾、ダメージを受ける。
「よっし!行った!」
「瀬野、まだ倒してないよ。蔓が再生してるわね」
「隊長、もっと砲撃していいですか!?」
「本部隊員にも動きありね。一旦、砲撃止め!」
戦艦の砲撃が止まった。霧人は隊長の意図を読んだ。怪人は水中に消えた。
なるほどね。俺の出番が来たか。
霧人は制服の下にウェットスーツを着ていた。水中戦に備えて。いつの間にか水中装備になっている。
「ちょっくら怪人倒してくるわ」
そう通信すると、霧人は海に飛び込んだ。
海中では霧人vsネオメギド水棲態との攻防が繰り広げられていた。
水中に隊員が入ったため、潜水艦も攻撃を中止。霧人は水中装備で荒々しく畳み掛ける。彼は水中戦が得意。
霧人に通信が。
「ネオメギド1体撃破しました!渋谷さん、あとはその1体だけです!」
「りょーかい」
霧人は一気にネオメギド水棲態に槍を突き刺した。この槍は水中専用なため、攻撃力抜群。
ネオメギドは水中で爆散。霧人は爆破ギリギリで船へと戻る。
「ネオメギド撃破です」
船上では御堂vs禹螢(うけい)の攻防が。
「邪魔なんだよ、お前」
禹螢は冷たく言い放つ。御堂は立て続けに銃を発砲、さらに肉弾戦で禹螢に畳み掛ける。
「鼎の能力奪ってどうする気だ!?晴斗の能力も奪う気か!?」
「あの女の能力(ちから)は強力だからねぇ。奪い、我が物にすれば元老院の計画は進む算段さ」
「計画?」
「敵に塩は送らない」
禹螢はジリジリと船室に接近。鼎は禹螢に恐怖を感じていた。
奴が来る…。
禹螢は足で船室の扉を蹴破った。人間離れした力でじわじわ迫る。こいつは完全にイカれている…。
「紀柳院鼎、終わりだ」
禹螢は再び鼎に接近→仮面を強引に掴み、無理やり外しにかかる。
同じ船室にいた晴斗は禹螢を勢いよくぶん殴り、船室から出した。晴斗は叫ぶ。
「隊長さん!早く港へ!!」
戦艦は向きを変え、港へと向かう。甲板では御堂&晴斗vs禹螢の構図に。
「晴斗!出てくんなっ!」
「そんなこと言ったって!」
晴斗は御堂の制止を聞かずブレードを発動させるが、禹螢は簡単にブレードを止めてしまう。
「こんなもんなの?暁晴斗」
「んなっ!?」
なんだよこいつ、気持ち悪い…。素手でブレードの発動を止めた!?
「やるならもっと本気でかかってきなよ。紀柳院、どうなってもいいのかな?」
「それは…」
晴斗は迷いを見せる。
「躊躇いがあるな、迷ってんのかー?」
禹螢はかなり煽っている様子。
晴斗は振り切り、禹螢に殴りかかる。肉弾戦で攻める気か!?
御堂は晴斗の無茶苦茶な戦いぶりについて行けなかった。
めちゃくちゃじゃねぇか!戦闘なんてものなんじゃねぇ!これは喧嘩の延長戦だ…。
晴斗は壊れたのか!?
御堂は晴斗のめちゃくちゃな戦いに唖然。禹螢も予想外の反撃にたじろぐ。
なんなんだこのガキは!?
晴斗は半ばやけくそになりながら禹螢と肉弾戦を繰り広げる。端から見たら喧嘩にしか見えない。
そんなこんなで晴斗は禹螢を撃退した。
戦艦は港へ到着。晴斗は鼎のところへ行くと鼎は安心したらしい。
「鼎さん、なんとかあいつを撃退したけど…倒せなかった…」
「晴斗が無事なら問題ない」
鼎は傷だらけの晴斗にそっと触れた。
「聞いたよ。めちゃくちゃな戦いをしたんだって?晴斗、手当てしろ。傷だらけだぞ」
鼎さん、やけに優しい。鼎さんも禹螢が怖かったはずなのに…。
本部・司令室。
「禹螢のやつ、また襲撃してきたのか」
宇崎は「またあいつか」みたいな反応。
「私は完全に狙われているな、禹螢から」
鼎も警戒しているが、かなり疲れていた。宇崎は隊員達を労う。
「不発に終わったが、お前らはちょっと休め。禹螢の脅威はまだ続く。
…しかし、晴斗のブレードが効かないとかかなり危ないな…。もしかしたら鼎のブレードも効かない可能性もあるってことか」
異空間では禹螢が鳶旺(えんおう)に愚痴をこぼす。
「なかなかしぶとい奴だということが判明したぞ。あの暁晴斗というガキ。
紀柳院はあと一歩だった」
「ほぉう。禹螢、紀柳院はそのまま続行せよ。暁という少年は…面倒だねぇ。でも『発動』は止めたのだろう?」
「あぁ、止めたさ」
鐡は禹螢の動向を注視していた。
早いとこ、禹螢を倒さないと面倒なことになる。もう、面倒なことになってるか…。