都心・スカイツリー周辺。

北川は鳶旺(えんおう)が出現した現場に到着。北川は現場の惨状を見た。


なんなんだこれは…。スカイツリー周辺だけ真っ暗だ…。まだ昼下がりなのに?


元老院の元締めの姿が見当たらない。どこへ消えた?

そんな北川の元にやってきたのは御堂。
「あれ?北川さんじゃあないですか」
「お前は御堂か。敵はどこかへ消えたのか?」

「…みたいなんだよ。それよか俺は鼎が気がかりだ…。あいつ、かなり危ない状態だし……。
鐡が奪還した鼎の能力の珠っていうんかな、それを晴斗が受け取って病院行ったよ」
「病院って、この近くの組織直属病院か?」

北川は御堂に聞く。
「そうだよ」
御堂はそっけなく答えたが、内心かなり鼎を心配している。


晴斗、間に合えよ…!



現場近く、組織直属病院。


晴斗はなんとか鼎がいる病室へと到着。
鼎は意識が朦朧としていた。

「鼎!起きてよ!鼎っ!!」
彩音は必死に声を掛ける。鷹稜(たかかど)はどこか弱っているようにも見えた。


晴斗は鼎がいる病室に飛び込んだ。
「鼎さん!!」

鷹稜は晴斗の手にある、淡く光る球体を見ると少しだけ元気を取り戻した。

「晴斗くん、それを鼎さんの体の上に乗せて下さい。能力(ちから)、奪還したんですね」
「俺じゃなくて鐡がやったんだ…」


晴斗はそっと鼎の体の上に淡く光る球体を乗せると、珠はすうっと鼎の体内に吸収された。


鷹稜は少しずつ元気になっていく。

「主が目が覚めるまではもうしばらくかかりますが、危機は脱しました。晴斗くん、ありがとうございます」
「鼎さん、助かったの…?」


晴斗、泣きそう。
鼎はまだ起きないが、脈拍などは正常に戻っていた。


晴斗から御堂に通信が。

「御堂さん…鼎さんは無事だよ。直に目を覚ますって聞いたから、安心して」
「晴斗、やってくれたのか」

「うん…」



病院では鼎が目を覚ました。そこには彩音と鷹稜、晴斗が。

「鼎、良かった…。死ぬかと思ってハラハラしてたんだよ…。本当に良かった…」
彩音はボロ泣き。鷹稜は鼎に抱きついた。鼎は鷹稜をいとおしそうに見ているようにも見える。

「鷹稜、抱きつくなよ…」
「私も消滅するかと思ってハラハラしていたんですよ〜。良かったです…」


どうやら人間化した対怪人用ブレードは、主の生命エネルギーの供給が止まると消滅してしまうと知る。

鷹稜は過保護なくらいに、鼎には過保護だったようで…。


「鷹稜、お前離れろって。過保護すぎるぞ!」
「あ…あぁ、すいません。嬉しくてつい…」

鷹稜はようやく離れた。



御堂は鳶旺が去った後、なぜスカイツリー周辺が真っ暗闇のままなのか引っ掛かっていた。


これは鳶旺の計画のひとつなのか?一体何のために?
この暗闇は鳶旺が作り出したものだ…。
それにまだ鳶旺は倒せていない…。


元老院の元締めには何かこの闇に意図があるというのか?