夜遅くに帰ってきた彼を迎えに行って、しばらく待っていたらやっぱり奴は一番最後に改札を出て来る。
誰もいないのを良いことに駅でハグして歩き始めたら、おもむろに手を握ってくれた彼のたまに見せるそういうところに私のハートは停止寸前
幸せな私たちの周りをサラリーマンたちは足早に通り過ぎて行く。
母と作ったシチューを暖めてとご飯を出して、一通り食べ終わったら猫様にご挨拶。
ものすごく嫌そうな猫様は、でもきちんと挨拶を返して眠たげに目を閉じた。
布団の準備を彼と母に丸投げして私は寝間着を探しにゆく、見付からずに帰ってきたら二人で仲良く布団カバーをかけていた。
母親が眠ったらしばし一つの布団で互いの温もりを交換しあい、おやすみのキスをして名残を惜しみつつ部屋に戻る。
朝は奴のために二時間ほど早起きして目覚めのキスをする。
彼がシャワーを浴びている間に朝ごはんのパンを焼き昨日の残りを弁当箱に詰め、砂糖をたくさん入れた紅茶を沸かす。
煙草をくわえた彼の後ろ姿が見えなくなるまで見送りたいが、寝巻き姿の私を横目に通り過ぎてゆく小学生が鬱陶しくてほどよいところでドアを開けた。
そんなわけで、私は鎖骨フェチなんです。
首筋から鎖骨にかけて、本当に色気がやばい。
噛み付きたくなる衝動を抑えられずに付けたキスマークがバレて恥ずかしい思いをさせたのはこの私です。
なんだろうね、あのライン。
別にユウくんだけの話ではないわけだけどさ。
奴のは特にそそる。
誰か一緒に語ろうぜ、鎖骨。
こんな深夜なのに連絡が来なくてものすごく心配なのだけど、疲れも溜まりすぎててとにかく寝たい。
明日も仕事。そのあと泊まり。
子どもの名前について考えていた。
親の名前を付けたら駄目って本当?
親を超えられなくなるとか。
母からもらった字を私も娘に付けたいんだけど。
もしほんとなら考え直さねばならん。
とにかく眠い。寝たい。
でもやっぱり、連絡が無ければ不安だ。