愛媛県伊予市の市営住宅の一室の押し入れから15日、若い女性の遺体が見つかり、県警は死体遺棄の疑いで、この部屋に住む無職窪田恵容疑者(36)と長男(16)、少年2人の計4人を逮捕した。
遺体は発見時、顔の一部が大きく腫れ上がっていた。

県警は、女性が激しい暴行を受けていた疑いもあるとみて、死亡した詳しい経緯などを調べている。
市は暴行の情報を把握しながら、警察に通報していなかった。

伊予署によると、14日午後11時45分ごろ「部屋に暴力を振るわれている女性がいる」との通報を受け、15日午前0時15分ごろ、駆けつけた警察官が市営住宅3階の一室の押し入れで遺体を発見。
死後数日が経過しているとみられ、毛布がかぶせてあった。

この部屋の住人は窪田容疑者、10代後半の長女や長男、次女、三女の5人。
警察官が駆けつけた時は全員在宅しており、長男の友人も数人いた。窪田容疑者らは遺体の女性を「長女の友人」と話した。
伊予署は、遺体を松山市の無職大野裕香さん(17)と確認。死体遺棄の疑いで窪田容疑者と無職の長男、いずれも土木作業員の16歳と18歳の少年2人の計4人を逮捕した。逮捕容疑は15日午前0時すぎ、遺体を押し入れに遺棄した疑い。
容疑者の一部が「(大野さんの死亡が)ばれると思って遺体を隠した」と供述。伊予署は、死亡の経緯も知っているとみて追及している。

地元消防によると、遺体は発見時、右目の部分が大きく腫れ上がり、強い衝撃を受けてできたような複数の打撲痕があった。
顔全体は黄色に変色していた。伊予署は激しい暴行を受けていた疑いがあるとみている。
大野さんは6月27日から家出しており、家族が7月19日に県警に行方不明者届を出していた。

伊予市によると、7月18日に市営住宅で会合があり、立ち会った市職員に住人が「(現場の)部屋には若い女性がおり、このままでは殺されるかもしれない」と訴えていた。
女性が窪田容疑者の家族に叩かれていたという。この情報は県警には連絡していなかった。

窪田容疑者宅では1〜2年前から、長女と同年代の女性が暮らしていた。大野さんと別人かどうかは不明。
長男ら子供たちの友人複数も頻繁に出入りしていた。
「ベランダから花火を打ち上げている」などの苦情も聞かれ、数年前から近所とのトラブルが絶えなかったとの情報もある。
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