歩いたり自転車に乗ったりしながら携帯電話やスマートフォンを操作して事故に遭い、救急車で搬送された人は、昨年1年間に東京都内で36人に上り、過去4年間で最多だったことが東京消防庁の調べで分かった。2010年(23人)の約1.5倍で、スマホ普及に伴い年々増加している。

同庁は歩きスマホや携帯について、「自分自身がけがをするだけでなく、周囲の人を事故に巻き込む恐れもあり、大変危険」と注意を呼び掛けている。

昨年の事故原因で最も多いのは、操作中や画面を見ているときで、26人。次いで通話中が5人だった。

10〜13年の4年間に歩き携帯やスマホなどで事故に遭った人は計122人で、年代別では40代、20代の順。事故の形態は「ぶつかる」が約4割を占め、「ころぶ」「落ちる」が続いた。搬送直後のけがの程度は8割が軽傷だったが、入院や死亡に至ったケースもあった。

13年10月、東京都板橋区で、歩きながら携帯電話を見ていた男性(47)がそのまま踏切内に進入し、電車にはねられ死亡した。同年5月にはJR四ツ谷駅(新宿区)のホームで、携帯電話を操作しながら歩いていた小学5年の男児(10)が線路に転落し、重傷を負った。同庁によると、道路・交通施設でのけがが8割以上で、中でも駅での事故が目立つ。
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